こんにちは!観光いばらき編集部です。
今回ご紹介するのは、茨城県陶芸美術館開館15周年を記念する企画展「没後20年ルーシー・リー展」です。ルーシー・リーは、ロンドンを拠点に「ルーシー・リー様式」とよばれる独自のスタイルを打ちたて世界的に有名な陶芸家です。
ルーシー・リーの作品は、国内でも人気が高く、現代の陶芸家たちに大きな影響を与えています。今回の企画展は、総点数200点にもおよび、そのほとんどが日本未発表の作品ばかり。今回5会場を回る企画展で、茨城県陶芸美術館からスタートなんです。
どんな作品に出会えるのか期待がふくらみつつ早速中へ!
まず入口を入って最初に出会えるのが、今回「新発見」されウィ-ンから運ばれてきた作品です。
ピンクや青の色彩が目を引きます。こちらは20代の頃の作品。技術や表現力が若い頃から豊かな女性だったのだなと感じられます。
続いてのロンドン時代の作品。雰囲気がらっと変わり 白と黒をベースに シンプル・モダンなデザインになります。普段の生活に実際に使われていたとのことですが、今では考えられないでね。
ルーシー・リー作品の特徴は、洗練されたスタイル、1点1点が違う作品、ギリシア・韓国・中国・など様々な世界の影響を受けているとのことです。好奇心旺盛で努力家の方だったんですね。
また、ろくろでどのようにしたら美しい形ができるのか、常に新しいことを試し、そのつど新しい発見が生まれ同じものがない作品が生まれてきました。
この作品は、2種類の土をろくろでまわしながら形作り、土そのものが模様になっています。
また、こちらの掻き落という独自の文様で繊細な線が表現されています。ルーシー・リーはこの一本一本の線を簡単に引いていたとのこと。私だったら、気の遠くなる作業です。
今回2つの会場で企画展が開催されており、2階の県民ギャラリーでは、ルーシー・リーがウィーン時代に制作していたボタンも展示されています。
こちらも、形・色・つや・デザインがすべて異なり、一つ一つ名前がついているんです。
また、今回の企画展と一緒にご覧になっていただきたいのがこちら。
茨城県会場では、入口にいすが飾られているのですが、ルーシー・リーの先生がデザインにたずさわっていた椅子です。偶然茨城県立歴史館で発見されたとのこと。何かこの企画展に縁が感じられますね。
また、「没後25周年里中英人展」が開催中ですが、この方も、ルーシー・リーの作品に影響を受けた方の一人。里中さんは実際に作品も持っていて、その作品から影響を受けた作品が今回の企画展に展示されています。
こちらが影響を受けた作品。ルーシー・リーのポットの作品が見え隠れしています。
こちらが、実際に所有していたルーシー・リーの作品。
ルーシー・リー展開催記念の陶芸コンテストの受賞作品も展示されていますので、こちらもぜひご覧ください。
最後に、今回取材にご協力していただいた首席学芸員柳田さんは、「鉢」や「花瓶」のバリエーションの多さや、ひとつひとつの作品のフォルムの美しさを見ていただきたい。展示も工夫しており目線を高くしているので、さまざまな角度から作品を堪能してほしいとのことです。また、ピンクや黄色、緑などの色彩の作品に目をひきますが、ルーシー・リー自身は、白が好きだったとのこと。作品にも白の様々なバリエーションがあり、こちらもぜひ実際にご覧になっていただきたいとのことです。
私も実際に見て、どれも素敵な作品ばかりでしたが、私のお気に入りの作品はこちら。鮮やかなきいろの色がとても目を引きました。
みなさも、実際に作品をご覧になってお気に入りの作品をみつけてください!
「没後20年 ルーシー・リー展」の会期・会場等のご案内です。
会期:4月11日(土)~6月21日(日)
会場:茨城県陶芸美術館 地階企画展示室、2階県民ギャラリー
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし5月4日(月)は閉館、7日(休館)
観覧料:一般820(670)円、高校生・大学生620(510)円、小学生・中学生260(210)円
*()内は20名以上の団体料金。満70歳以上の方。障害者手帳、療育手帳をお持ちの方及び付き添いの方。(ただし1人につき1人まで)は無料。土曜日は高校生以下無料。
今後開催される関連催事のお知らせ
・講演会「ルーシー・リー、ハンス・コパーと私」
5月9日(土)13:30~
定員:120名(先着順・当日整理券を発行)
・講演会「ルーシー・リー 多彩な技法、その魅力に迫る」
5月24日(日)13:30~
定員:120名(先着順・当日整理券を発行)
・ギャラリートーク
5月16日(土)、6月6日(土)
13:30~
担当学芸員が展覧会をご案内。*企画展チケットが必要です。
詳細はこちら
茨城県陶芸美術館(笠間市笠間2345番地)
HP
http://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/