世界に羽ばたく柴沼醤油醸造


投稿日:2013年09月20日   投稿者:絶品いばらき特派員

10月1日は「しょうゆの日」だそうです。それなら醤油の蔵元さんは何かやるかもしれない、と勝手に考えて、何度も観光いばらきに登場してもらっている柴沼醤油醸造さんに行って来ました。

対応していただいたのは、若き経営者・柴沼秀篤(ひであつ)社長。柴沼醤油醸造の創業は1688年(江戸時代・元禄元年)。創業320年以上の超老舗!! 柴沼さんは18代当主です。

さっそく、「しょうゆの日」に何かやるのか聞いてみました。すると、「業界団体では東京でイベントを開催しますが、弊社としては特別意識していないですね」とのお答え。 あらら、そうですか。でも、そうですよね。

すると、「弊社は、ちょうどその頃、ドイツで開催される世界最大規模の食品メッセ『アヌーガ』に出展しています」と、何気なくおっしゃる柴沼さん。えっ? 今なんとおっしゃいました? ドイツ?

「そうです。弊社はすでに20数ヶ国に販路を広げています。日本の食文化が世界で注目されていることで、醤油の存在感も上がってきているのです」。

なんだか思いがけずスゴイ話に直面しました。すっごく興味があります。ぜひ、詳しく教えてください。

「海外展開に取り組み始めたのは本当に最近で、2年前からです。
国内市場が、これ以上伸びないのは明白でした。かといって、すぐに海外展開ができるとも思っていませんでした。
そこに、偶然にもオーストラリアから電話があったのです。聞けば、今まで取り引きしていた商社との契約が切れたので、新たに醤油を輸入する必要があるとのことでした。
そう言われても半信半疑ですよね。でも、そのときは『行こう!』と思いました。やはり、とどまっていても成長はないと痛感していたからです。
オーストラリアに行ってからは、細かいことを確認し、こちらも醤油や日本の食文化のことを熱心に伝えました。すると、向こうも食材に対して熱い思いを持っていることがわかり、『こことなら大丈夫だ。うまくやっていける』と判断したのです」。

それにしても意外です。そんなに醤油や日本食というのは、海外で人気が高いのですか?

「日本人の想像以上に受け入れられる土壌があります。私たちは醤油を木桶で作っています。その写真を見せると、一発で『これは間違いなくいいものだ』という反応をしてくれます。
とくにヨーロッパはウイスキーやワインを木桶で作っていますからね。さらに、創業300年以上の蔵元だということを知ると、『ファンタスティックだ!!』と言ってくれます。
それだけじゃありませんよ。『君のところは工場見学をやっているそうだね。今度、行くから』とか言って、本当に来てくれる会社まであります。ここは成田空港に近いことも大きいですね」。

聞いている私もワクワクするお話です。柴沼醤油醸造さんの取り組みは、他の生産者にも「自分たちにも何かできそうだ」という勇気を与えてくれる感じがします。

「たしかにそうですね。私たちも海外の会社が来られたときは、地元の農家や生産者さんもご紹介しています。そうすれば、お互いに広がりができます。その成果が実り、実際に米農家さんのアメリカ輸出が決まりました。今、ニューヨークの寿司屋で使われていますよ」と驚くような話をサラッと話す柴沼さん。世界がとても近く感じられて、希望が持てるお話です。

柴沼さんは、今ではほぼ毎月海外に行って、展示会に出展(写真左)したり、打ち合わせしたり、飛び込み営業をしたりしているそうです。
取り引きが一番多い国をお聞きしたら、意外にもスイスとのこと。大手日本食レストラン(写真下)に卸していることや、国民の健康意識が高いためだそうです。

とはいえ、商品開発では苦労もあるとか。
「日本の味がそのまま受け入れられるわけではないので、各国に合わせて作っています。
甘口が人気の国もあるし、濃厚なものが好まれる国もあります。いずれにしても、先入観を取り払って試作品を作り、お客様が一番いいと思ってくれるものを作っています」と柴沼さん。

「台湾の航空会社の機内食でも弊社の醤油が使われています。海外の機内やショップなどで弊社の醤油を見るときは、いつもジーンと感動します。思い切って海外に打って出てよかったと充実感を覚えます」

創業320年の会社が新たな翼を得て、次の100年目に向けて羽ばたいている感じがしました。

柴沼醤油醸造の挑戦は、海外展開だけではありません。新製品の開発にも力を入れています。

それが5月に販売したばかりの「むらさきつくば」。
フランス菓子販売のコート・ダジュール(つくば市)とのコラボで生まれたスイーツです。
さくさくなパイに香ばしい醤油の香りがたまりません。

柴沼さんが直接ガイドしてくれる工場見学もオススメです。今では年間3000人が訪れるほどの人気見学ツアー。
工場見学は10名から受け付けています。(少人数の場合は要相談)
http://www.shibanuma.com/index.html

もちろん、柴沼醤油醸造の醤油は「絶品いばらき」でもお取り寄せできます。茨城県ではじめて農林水産大臣賞を受賞した「お常陸」。

その他、一番搾り生醤油に、厳選されたかつをだしを加えて味を調えた「紫峰」など、いろいろ取り揃えています。

http://www.ibaraki-meisan.gr.jp/?page_id=900&pagename=shop0014

“古くて新しい”、そんな柴沼醤油醸造の魅力を堪能してください!!