11月には市場に出回り始めます。「笠間自然薯研究会」の自然薯


投稿日:2013年10月21日   投稿者:絶品いばらき特派員

こんにちは、絶品いばらき編集部の花島です。
台風一過の秋晴れの日に、笠間に行ってきました。
そろそろ収穫の時期を迎える、自然薯の話をうかがってきました

11月になればこんなに美味しそうな「山菜の王者 自然薯」が出回ります

そもそも自然薯は、山に自生している、手に入れるのが「宝探し」級といわれるほど難しいものです。成長するに従って、茎が枯れ落ちてしまい、地面の下にいるかもしれない自然薯が、上からは、影も形も見えなくなってしまうからです。
そこで名人といわれる人々は、茎がまだ健在なうちに、そこに麦の種をまくなどして、自分だけの目印をつけておくのだとか。面白いですねえ。と、まあこれは今回仕入れた情報で、余談です。
つまりそんな風に見つけるのが困難な「自然薯」であるにも関わらず、人の手で畑で栽培できるようなったのが、現在の自然薯事情です。

実は山口県の農園で、自然薯の栽培に成功して既に40年がたっています。
そこから派生した方法で、現在では日本各地で栽培が行われているのです。

茨城県でも山口県の方法を取り入れスタート。その後、北茨城自然薯研究会が中心になって独自の栽培方を開発。笠間市では、その成果である「北茨城1号」を種芋に、天然のものと引けを取らない、高い品質の自然薯作りに成功しています。今回お邪魔した「笠間自然薯研究会」は、そんなグループの一つです。

さて前置きが長くなりました。
この日私は、笠間自然薯研究会・会長の大里安夫さんのご自宅で、自然薯栽培のノウハウを一から聞き、軽トラの助手席に乗せてもらい、約5分ほど走った先にある畑も見せてもらいました。

会の中では最高齢の70歳ちょと。でも若々しい大里会長

イノシシの侵入を防ぐための電気牧柵が巡らされた畑は、ゆるい傾斜のある、日の光がさんさんと降り注ぐ場所にあり、土質は自然薯にとっては都合のよい関東ローム層なのだそうです。

手前が今年の自然薯。左は種芋栽培中

現在、「笠間自然薯研究会」の会員は、50代~70代の13人。勤めのかたわら栽培している会員さんもいれば、退職後に始めた人もいます。

大里さんによれば、自然薯の栽培は一般の野菜などに比べ収益性が高く、重労働ではないので年配者でもやれるのが魅力とのこと。
ただし根気がいる!!
ここが重要です!!

ムカゴを育て20cmほどまで育てたものが種芋です。ここまでに1年かかりますが、これは種苗会社の仕事。購入した20cmの種芋を1個7、8gに切り分けて育て、1年後に約1mになります。これを今度はさらに1個50gぐらいに切り分け、これを1年掛けて栽培、ようやく商品になります。この間毎日のように畑に行っては、土の上から生育状態を観察するなど、気の抜けない半年間を過ごします。

自然薯栽培は一方では、ウイルスとの闘いです。「北茨城1号」はもちろんウイルスフリーですが、栽培の方法でも繊細な注意が必要です。
その一つが、自然薯を畑の土に触れさせないということだと聞いたときにはびっくりしました。芋はU字型のシートに入れた無菌の山砂の中で育てます。ところが芋から出る根っこは、米ぬかなどの有機肥料を入れ込んだ、栄養たっぷりの畑の土の中に伸ばすのです。水はけを確保するために作られた高い畝の脇には、よく見ると根っこが張られていました。

わらをどけて見ると、表面の土が割れ始めているのが分かります

「笠間自然薯研究会」がスタートしたのは平成12年。当初は販路もなく、苦労が多かったと大里さん。今では、その品質の高さが認められ、大口の取引先やネットによる販売も順調で、品薄状態になることが多いほど。
現在大里さんは、年間4,500本を生産。会の中には10,000本以上作っている会員もいます。県内のイベントに参加して、自然薯のアピールにも務めています。

今年4月に開催されたふれあいまつりに出店

 

10月の笠間浪漫では串団子を売りました

米を作ったり、野菜を作ったり、大規模に養豚をやっていた時期もあるという大里さん。自然薯との出合いが、新しい仲間を作り、現在の充実した人生の大きな契機になっているのは確かなようです。
自慢の自然薯について、山砂の中で育った自然薯は色白で、皮も薄く、「火であぶってひげを落とし、皮をむかずに食べてください」と大里さん。

11月が楽しみです。

収穫の最盛期には、畑でこんな光景も見られるようになります

笠間自然薯研究会
住所 茨城県笠間市箱田1763
お問い合わせ TEL:0296-72-6160

http://kasama-jinenjo.jp/