こんにちは、絶品いばらき編集部です!
2014年のクリスマスも終わり、皆さんもいよいよ新年に向けての準備に忙しい頃でしょうか?
そんなちょっとした節目に普段使うもの新調するのはいかがでしょうか!?
笠間焼は日本を代表する大きな窯業地です。
しかも、笠間焼はちょっと特殊な成り立ちもあり、とてもバラエティに富んだ焼物を作る作家が集まる窯業地。
そんな自由な地でも、ひとつだけ特徴があります。
それは笠間焼は生活によりそった焼物だということ。
低価格で丈夫、そして料理の邪魔をせず、毎日使っても飽きない日常品。
そんな生活陶器と呼ぶにふさわしい笠間焼を作り続ける、笠間でも古参の窯元。
それがここ製陶ふくだ。
予約なしでも陶芸体験ができたり、笠間の歴史を知ることのできる資料館があったりと、笠間市の中でも象徴的な窯元です。
そんな製陶ふくだの特徴のひとつが登り窯を所有していること!
笠間市内でも6ヶ所しか残っていない登り窯。
そんな登り窯を保有し、しかも実働している数少ない窯元です。
そんな製陶ふくだで登り窯に火を入れるとの話を頂き、取材に行ってきました!!
登り窯の火入れは朝6時からはじまります。
寒い冬の朝・・・朝霧がかかる中、煙突からはもくもくと煙が立ち上り、窯の周囲が煙で包まれます。
ここ製陶ふくだの登り窯は、東日本大震災で倒壊。
修復してから今回が2度目の火入れです。
最初は薪をくべながら徐々に温度を上げていきます。
焼き上げに必要な1200℃という温度に向けて日が暮れる夕方までずっと焚口から火を足していきます。
窯の中にどうやって熱が広がっていくのかを考えながら、薪を組む形をそのときそのときで決めながら加熱していきます。
火の温度が赤から黄色、そして白くなっていく・・・。
その過程を見極め、左右差を整えながらひたすら薪をくべます。
その薪の量たるやトラックの荷台が一杯に積んだ量だとか!?
ちなみに、熱をいれはじめて3時間後の窯の中はこんな感じ♪
金曜日に火入れをして、窯が冷めるのは4日後!!
しかも、窯の中はまだ熱いというから驚きです。
期待に胸を膨らませ、登り窯を横から崩して陶器を取り出す作業がいよいよはじまります。
壁に塗った粘度を崩し、積み重ねたレンガを外していきます。
すると数分後に窯が完全に開きます。
その中には見事に焼き上がった陶器がずらりと並びます!!
高く棚状に組まれた足場に整列した陶器。
これを手作業でひとつひとつ取り出していくのが次の作業です。
約3時間かけて最初の部屋の焼物を取り出した一部がこれ!!
ひとつの部屋にこの約3倍の陶器が入っており、場所場所により全て焼き上がりが違うのが登り窯の特徴です。
自然の力で焼き上がる登り窯は、いま主流となっている電気窯では実現できない予測できない不均一性が特徴です。
・・・たとえば、この登り窯で焼かれた湯飲みの中でわたしが気に入って購入したものがコレ!!
この湯飲みは登り窯で焼き上げた特徴が良く出ている湯飲みです。
向かって左側は茶色く焼き上がり透明感があります。
それに対し右側は、より土の味を感じる白くにぶいざらつき感のある仕上がりです。
左側が登り窯の焚口に近かった高温側、そして右側が登り窯の上の方でもある低温側なのです。
釉薬は左右ともに一緒にも関わらずこういった前後差が生まれるのが登り窯の特徴のひとつ!
自然の火が生み出す不規則なグラデーションは、日本人が愛する自然美に通じるものがあると・・・。
個人的にはかなり気に入っております♪
また、中にはこんな失敗も・・・(笑)
釉薬が多すぎて溶けてしまい、敷板とくっついて固着してしまうこともあるのだとか。
このどんぶりは当主のふくださんが丁寧にはがして家庭用に持ち帰るのだろそうです♪
他にも今回の登り窯で焼き上がった器の中には素敵なものがたくさんありました。
焼き上がった陶器は職人が磨いて店頭にならぶとのこと・・・。
窯元に行ったなら、ぜひ「登り窯で焼いた陶器はどれですか?」と訪ねてみてください。
きっとお気に入りの陶器が見つかると思います。
是非、この冬はこんな笠間へお越しください!!
http://www.ibarakiguide.jp/seasons/kasamayaki.html
製陶ふくだ