天心記念五浦美術館企画展「岡倉天心と文化財」好評開催中です!


投稿日:2013年10月30日   投稿者:観光いばらき特派員

こんにちは、観光いばらき編集部の根本です。
一気に冷え込むようになりました。紅葉の時期ももう間もなくでしょうか?
観光いばらきでは、紅葉の季節に先駆けて特設コーナーをスタートしています。
http://www.ibarakiguide.jp/seasons/koyo.html
県内の紅葉スポット情報をはじめ、各地の色づき状況も毎週更新!
さらに、付近のオススメイベントや、紅葉と一緒に楽しみたいドライブコースなどなど、行楽にオススメの情報が満載です。

さて、その特設コーナー内で紹介している、高萩~北茨城のドライブコース。
http://www.ibarakiguide.jp/seasons/girls_koyo.html
いばらき夢ガイドのお2人と一緒にめぐる、楽しい・美味しい・ほっこり旅。

その中でも紹介されているスポットに、私も行ってまいりました!
茨城県天心記念五浦美術館です!

10月12日より開催している企画展「岡倉天心と文化財」をぜひ見たくて、行ってきました。
この展示は、岡倉天心生誕150年・没後100年記念として特別に企画された内容です。
天心が、情熱を傾けて取り組んだ文化財保護。明治の大きな変化に伴い、荒廃し、失われる危機にも瀕していた寺院や古美術品の保護にいち早く中心となって動き出したのが天心だったのです。
その中でも、天心が関わった仏像や神像にスポットを当て、展示を通してその取り組みや後の時代にも受け継がれていく文化財保護の歩みを紹介。

この展示の目玉はなんと言ってもその展示品の内容です!
国宝・重要文化財がなんと14件も展示されています。
和歌山の熊野速玉大社、京都の平等院の所蔵品をはじめ、
普段は公開されていない仏像や、わざわざ各寺院へ足を運ばないと見られない物ばかり。
こういった内容にテーマを絞っての展示はとにかく珍しく、同美術館でも「これを逃したら次はいつ実現出来るかわからない」という程の特別企画です。

展示は、全3部に分かれています。
まずはじめは「天心による古美術の価値の発見」と題して、天心の文化財保護の業績を資料と共に紹介しています。
調査時に撮影された写真、辞令や目録、そして調査手記など。

ぜひ、じっくりと眺めてみてください。
中には、何度か登場する人物名があります。例えば、この「早崎稉吉」という人物。

当時、東京美術学校の生徒だったこの早崎に写真の撮影技術と中国語を学ばせておいて、中国美術調査旅行に同行させたのだそうです。
調査や事業にも積極的に生徒を起用し、それが学びの場となる・・・この展示からは天心の指導者としての一面も、かいま見ることが出来ます。

 

 

 

これは、天心が旧蔵していたと言われる北茨城市・長松寺蔵「菩薩立像」です。平安時代のものと伝来されています。

こうした仏像は明治初期の廃仏毀釈で売られてしまったり、中には薪代わりに燃やされてしまったものも。
そうでなくとも荒廃した寺院の中でボロボロの状態に放置されていたりと、まさに日本の古美術の危機に瀕していたと言えます。
さて、天心はそんな状態をどう打開していこうとしたのでしょうか。
明治30年、古社寺保存法が公布され、天心らによる修理事業が本格的にスタートします。
その始まりが、和歌山県熊野三山のひとつ、熊野速玉大社でした。
今回、その速玉大社所蔵の、国宝「国常立命坐像」が展示されています!
この機会を逃したら、二度と見ることは出来ないかもしれません。記念事業だからこそ、実現した展示です。

さて、こうして実際に携わった修理事業の実例について知る中で、ぜひ注目しておきたい人物がいます。
それは「新納忠之介」。天心の創設した日本美術院の国宝彫刻修理部門を任されました。
この熊野での修理はもちろん、東大寺や平等院、法隆寺といった皆さんもよくご存知の文化財にも実は関わっていたのです。
それらの修理事業についての貴重な資料も展示。そして、平等院からは国宝が一点、展示されています!

 

 

こちらは東大寺の修理に関連した資料。修繕請負契約書は、こんなに分厚い内容です。

第2部は、「美術院国宝修理所に受け継がれる天心の理念」。
時代の変遷に伴い、美術院は第二部や公益財団法人へと変化してきました。当然、天心の時代以後、修理に携わる技術者も後進に代替わりしてゆきます。
しかし、人や形が変わっても、文化財修理の基本概念は受け継がれることとなりました。
この部では、天心が亡くなった後~現代に至るまでの、美術院による修理についてを見ることが出来ます。

 

 

 

 

 

外側はもちろん、内部の構造部分に至るまで、詳細に図が残されています。

これは東寺食堂の千手観音立像の頭部模型。火災で炭化してしまった顔面を修理するにあたり、
どう仕上げるかを検討した際の試作です。慎重に慎重を重ねて、進められていることがわかります。

 

さて、そして第3部は、我が茨城県内にある、美術院国宝修理所が修理した仏像を紹介しています。
笠間市、常陸太田市、城里町、水戸市、鉾田市、潮来市といった県内各地から、一堂に会しました。

滅多にない機会ということで、住職さんも見にいらしたりしたそうです。
普段、安置されている状態と、こうして展示している姿はまた違った様子に見えるもの。
仏像をこんなに間近で見られることもありません。ぜひ、この機会に隅々までゆっくりと拝見させて頂いてはいかがでしょうか。

 

ちなみに、各展示室にはこんな風に解説が置いてあります。
また、仏像鑑賞時に役立つ用語や姿の見方などがわかるシートも設置されていますので、それを片手に鑑賞すればより楽しめること間違いなしです!

ちょうど私が鑑賞していた日には、この展示担当の学芸員・中田さんがいらっしゃいました。

企画実現に至るまでのエピソードや、展示の際の秘話なども聞かせて頂けました!
例えば、最後の部屋に展示されている城里町・薬師寺蔵「薬師如来像」について。

大きさから分かる通り、重さもかなりのものですので、運搬にも大変難儀したそうです。
当然ですが御仏ですから、通常の美術品とはまた違った面での注意点も多数。

そんな、学芸員さんのお話が直接聞ける「ギャラリートーク」が11/2と11/17に開催されます。
各日13:30~企画展示室入口集合。チラシや図録にはないお話を聞くことが出来ますよ!
ぜひご参加下さい。

企画展のお土産ラインナップもオススメです。

 

 

 

 

 

展示についてぎっしりと記された図録は1,600円。150P越えのボリュームです。
ポストカードやクリアファイルなどの他、中には仏像まで!
記念に、またお土産にどうぞ♪

ちなみに、天心記念室の作品展示替えもされました。
現在は菱田春草「落葉」木村武山「黒猫」他を見ることが出来ます!

映画「天心」の公開と合わせ、注目を浴びる北茨城。
これからは美しい紅葉と、美味しいアンコウの季節到来です!
ぜひ、美術館を含めて遊びに行ってみて下さいね。

 

茨城県天心記念五浦美術館
岡倉天心生誕150年・没後100年記念「岡倉天心と文化財」展
2013年11月24日(日)まで開催中
開館時間 9:00~16:30最終入館
入館料 一般600円、高大生400円、小中生200円
☆11月13日は茨城県民の日のため入館料無料です!

茨城県天心記念五浦美術館について、詳しくは観光いばらきもご覧下さい。

http://www.ibarakiguide.jp/db_kanko/?detail&id=0800000000044