こんにちは、観光いばらき編集部の根本です。
去る9月1日と2日、鹿島神宮へ行ってまいりました!
目的はもちろん、9月1日~3日まで行われた「式年大祭 御船祭」です。
12年に一度、午年にだけ行われる祭典。観光いばらきのWebサイトでも、ご紹介してきました。
http://www.ibarakiguide.jp/seasons/recommend/kashima-mihune-matsuri.html
鹿島神宮が祀る武甕槌大神(タケミカヅチノオオカミ)を御分霊した神輿と共に陸路、水路を渡り、
幸せと平安をもたらす神事として、斎行されてきたお祭りです。
実際に取材へ伺って、間近で見て、まさに圧巻の大祭!
特に2日、御神輿と共に3000人もの行列が連なって鹿島を出立する「行宮御発輿祭」、
そして、鹿嶋市大船津の一之鳥居下より100以上の大船団を率いて出立する「御発船祭」。
千葉県香取市の加藤洲で香取神宮の御迎船と合流する「御迎祭」には、
その姿を見ようとたくさんの人が詰めかけていました。
今回は、そんな壮大なお祭りを、写真と共に振り返ってご紹介していきたいと思います!
こちらは9月1日の、「勅使参向例祭」の様子。
天皇陛下の勅使をお迎えして行われる神事です。
この写真は、神宮の楼門を通ってやってくる勅使の列。
ちなみに、鹿島神宮は全国でも16社しかない「勅祭社」のひとつ。
祭礼の際に天皇陛下から勅使が遣わされるのは、伊勢神宮とこの勅祭社のみなのです。
そして、明けて9月2日。朝8時よりおこなわれた行宮御発輿祭の様子です。
前日夜の「神幸祭」で、武甕槌大神の御分霊を遷した御神輿が神宮から出立します。
鳥居をくぐり、長い列を成して大船津へ向けて歩いてゆきます。
鹿島宮司、東権宮司をはじめ、騎馬で向かう姿も目にすることが出来ました。
この小さな巫女さんたちは、皆さん「午年生まれ」。
この後、香取神宮の船を迎えたのちに浦安の舞を奉じる役目もあってか、皆さん緊張した面持ちでしずしずと歩んでいました。
御神輿の警護をするのは、鹿島新當流の剣士たち。
かの剣聖・塚原卜伝を祖とする、鹿島に伝わる古武道です。
当主の吉川氏を筆頭に、勇壮に進みます。
私はこの行列について大船津まで歩いていったのですが、
途中、なんとも素敵な場面を見たのでその様子もご紹介したいと思います。
途中、鹿島小学校前に差し掛かった際のこと。
小学生が沿道で見学していたのですが、剣士たちが通りかかると
「新當流だ!かっこいい!」「頑張ってください!」と、ワッと歓声が上がっていました。
その声に対して、剣士たちもにこやかに応じる場面が。
鹿島新當流という伝統が、地元でいかに愛されているかが感じられる瞬間ではないでしょうか。
私も思わず、嬉しくなってしまいました!
さて、行列はどんどん進んでゆきます。
その道のりは2.1km。
さあ、大船津一之鳥居に到着しました!
桟橋の周りには、既にたくさんの船が待機して、出立の時を待っています。
大船津周辺はものすごい人出でにぎわっていました。
御神輿が豪華に装飾された御座船に乗り込み、お囃子に見送られ出立です!
鰐川、常陸利根川を進んでゆく、御座船。
下の写真は、香取神宮の宮司・祭員の御迎船。
正午。加藤洲にある目印の「斎杭(いみぐい)」にて、船と合流した後に
香取神宮御迎祭が催行されました。
巫女舞の奉納。
沿岸には、12年に一度のお祭りをひと目見ようとかけつけた人、人、人。
ところで、この御迎祭。「正午」に斎行されるというところにも、注目です。
12年に一度の「午」年に行われるお祭り。そうです、正午も「午」の干支で示されていますね。
これには、あらゆる邪気と不景気を祓う願いが込められているのだそうです。
左が、鹿島則良宮司。
右は、御船祭奉賛会長である水戸德川家十五代当主、德川斉正氏です。
常陸国一之宮である鹿島神宮と水戸德川家とは、深い縁で結ばれています。
その後、行事を終えた船団はまた大船津へと戻ります。
もちろん、また市内を練り歩き、境内へ。
御神輿を行宮へ。祭祀の後、万歳三唱と鏡開きでこの日は幕を閉じました。
最後に、鹿島宮司は「皆様の御奉仕で、素晴らしい天気の下で執り行うことが出来ました。
神様もお喜びのことと思います」と、お話ししてくれました。
本当に、前日までの悪天候とは一転、驚くほどの快晴でした!
平成26年 鹿島神宮式年大祭 御船祭は、本日9月3日で終了いたしました。
今回は、東日本大震災後、はじめてとなる式年大祭。
震災からの復興をはじめ、日本再生の「鹿島立ち」の神事ともなるように、との願いを込めて斎行されました。
その願いは、御船祭を通し皆さんの元にも届くものであったと思います。
今回残念ながら目にすることが出来なかった方も、ぜひ一度鹿島神宮へ!
鹿島立ちの地で、新たな出立を祈願してはいかがでしょうか。
http://www.ibarakiguide.jp/db-kanko/kashimajingu.html