こんにちは、絶品いばらき編集部の花島です。
この大雪にはびっくりさせられましたね。冬が居座り寒さ厳しい日々ですが、ちょっと気分を変えて、春を探しに笠間に行ってきました。笠間芸術の森公園の中にあるクラフトカフェでは、スイーツを賞味。茨城県陶芸美術館では、美しいガラスの作品を鑑賞!
春はもうそこまで来ていました。
水戸を代表する和菓子の一つに「吉原殿中」があります。
クラフトカフェが、そんな吉原殿中を使って、スイーツを作りました。
その名も「殿中パフェ」 (500円)。黄な粉たっぷりの殿中に、バニラアイス、生クリーム、小豆あんが添えられ、黄な粉と相性のよい黒蜜がかけられています。トッピングのミント の緑も美しく、工芸の丘の広々とした景色をガラス越しに眺めながら、のんびり美味しい時間を過ごすにはもってこいのスイーツでした。
なぜ、殿中でスイーツ?
「出来立ての吉原殿中の美味しさにびっくりしたのが始まりです」と話すのは、笠間工芸の丘営業課主任の黒澤紋子さん。
「今回のスイーツの強力バックアップは「あさ川製菓」。そのあさ川製菓が実施している「吉原殿中実演」をクラフトカフェで開催したときのこと。
「目の前でできあがった吉原殿中は、いわゆるオブラートに包まれた市販のものとはちょっと違いました。黄な粉がたっぷりかかり、とってもやわらかくて驚きました。この美味しさをたくさんの方々に味わっていただきたいと思ったのです」と黒澤さん。
クラフトカフェでは週末に合わせ、出来立ての吉原殿中を30パック入荷。スイーツとして使うもの以外は販売もしています。
「殿中パフェ」がメニューとして並ぶのは、3月いっぱいの予定。さらに進化させて「定番化したい」と黒澤さん。クラフトカフェではオリジナルカレー(600円)、ワンプレートランチ(500円)なども楽しめます。
クラフトカフェのすぐそばにある茨城県陶芸美術館にも足を運びました。
3月23日(日)まで開催している「いばらき工芸大全Ⅰ ガラスの巻」を見るのが目的です。
茨城工芸の魅力を、陶芸にとどまらず紹介する試みの第一弾!というだけあって、同館の意気込みが伝わってくる、「いばらきのガラス」の美しさを堪能できる展覧会でした。
多様なガラス作品94点。「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の故事にもあるように、その才能を遺憾なく発揮した作家の作品群は、美しいだけではなく、美しいものを作りたい、美しいものに憧れる人間の原点についても考えさせられる、そんな展覧会でもありました。
「古代から近代へ」のコーナーには、丸山古墳や三昧塚古墳などから出土したガラス製丸玉が。展示方法の工夫もあって、小さな粒の存在感が際立っていました。
筑西市からご主人と2人で訪れた島田文江さんは、一橋徳川家伝来の「緑ガラス花文様砂糖入」(茨城県歴史館所蔵)の前でため息を。「いやあ、こういうのは見たことないですね。こんな昔にこういうものができたのかしらと思うと驚いてしまいます」
「現代ガラス工芸の巨匠たち」のコーナーで、各務鑛三の花器に見入っていたのは、ひたちなか市の会沢満理子さん。「とにかくガラスが好き。今回はガラスがテーマだと聞いて、友達を誘ってさっそく来ました」。
同じく「現代ガラス工芸の 巨匠たち」のコーナーに展示されている 岩田藤七作の「乳白金彩捻花生」(茨城県近代美術館蔵)の周囲を取り囲んでいたのは、下妻市立豊加美小学校4年生 の男子たち。「ぐるぐる回っている感じ」「ギザギザのところに金がついていてすごい」と口々に。
藤田喬平作の「風」の前には女子3人。「緑の色がとてもきれい。色が薄いところと濃いところがあって2種類にみえる」「金色の輪っかがついてるけどなぜだろう」「サラサラした感じがする」と。
実は同じ藤田作で、こんな古典的なものも展示されています。作家の中で、どのような心の動きがあるのかに興味がかきたてられます。
「琳派に影響を受けた、日本の様式美をガラス工芸で表現したのが飾筥(かざりばこ)です。一方、イタリアのヴェネツィアに滞在して作ったのがこの『風』などです。それぞれに魅力がありインパクトがありますよね」と山口さん。
このほか、「現代の作家たち-ガラス工房シリカのコレクションから」、「いばらきで活躍する作家たち」と題して、様々な作品が紹介されています。
早春の笠間に足をのばし、花も団子も楽しむのはいかがでしょう。
▼クラフトカフェ
〒309-1611 笠間市笠間2388-1
TEL0299-70-1313
▼茨城県陶芸美術館
〒309-1611 笠間市笠間2345
TEL0299-70-0011