こんにちは。観光いばらき編集部の滝口です。
今回は、以下の鳥さんたちが主役です。何の鳥かわかりますか?
ヒント1 渡り鳥です。ヒント2 昔はこの鳥を使って「漁」をしていました。今でも行っている地域があります。
「漁」でわかりましたね。そう、鵜飼いで使われる「ウミウ」です。鵜飼いの歴史は古く、『日本書紀』にはすでに記述があります。つまり、1300年の歴史があるわけです。
現在でも全国12ヶ所で行われています。錦帯橋の下で行われる山口県岩国市の鵜飼いは有名ですね。
さて、このウミウは1947年に一般保護鳥に指定され、捕獲が禁止されています。ただ、日本で唯一、捕獲を許可されている場所が、日立市十王町にある「鵜の岬」なのです。
「鵜の岬」といえば、25年連続で宿泊利用率第1位の国民宿舎「鵜の岬」で有名ですね。
すぐ近くには、鵜の岬温泉 日立市鵜来来の湯十王もあります。
この地で捕獲されたウミウは、全国11ヶ所の鵜匠・鵜飼いに供給されています(※和歌山県有田市だけは自ら捕獲し、最終的に放鳥しています)。
捕獲は春季(4~6月)と秋季(10~12月)に行われています。そして、オフシーズンの1~3月にかけては毎年、捕獲場を一般公開しています。今年も1月5日(月)~3月31日(火)まで公開中。今回、その捕獲場を取材してきました。
捕獲場入口にいらっしゃった3人。真ん中の方が、ウミウ捕獲技術保持者の根本好勝さん。
日立市の無形民俗文化財に指定されているウミウ捕獲技術は、根本さんともうひとりの2名しか持っていないそうです。
左の方は、いばらき夢ガイドの菊地祐衣さん。右の方はNHK水戸放送局キャスターの細谷翠さん。NHKさんの取材に同行させていただきました!
さぁ出発。捕獲場は、断崖絶壁にあるため、そこまではトンネルを通っていきます。途中には鵜飼いに関連した情報パネルが置いてあり、菊地さんは根本さんのガイドを聞いていました。
左の写真で根本さんが手に持っているのは、ウミウを捕獲するときに使うカギ棒。先端はU字型に曲がっており、それをウミウの足に引っ掛けて捕らえるそうです。右の写真で持っているのは、捕獲したウミウを入れる籠です。
トンネルを抜けると捕獲場である鳥屋(とや)に到着。こんな風に藁の屋根が取り付けられています。ロープの所までが入れるところです。
屋根から頭を出してみると、なんと絶景の海が広がっていました。「美しい。素晴らしすぎる!」と感動する観光客の方。
鳥屋の外は断崖絶壁。ここにウミウが飛来し、止まるのです。根本さんは、指を差している穴の部分から外を見て、そっと下からカギ棒を出し、パッとウミウを捕えるそうです。
日立市から資料映像「ウミウのふるさと日立」をお借りしました。これを見ると、捕獲の様子がよくわかります。左の写真は、予め捕らえてある「囮(おとり)の鵜」を崖に配置している様子。逃げていかないように、縄でつないでいます。
すると、右の写真のように、囮に誘われて鵜が飛来してきます。このタイミングをじっと待って、一瞬で捕らえるのです。
さて、捕獲場を見た後は、国民宿舎鵜の岬の近くにある【鵜のパラダイス】に行って見てください。かわいいウミウたちを間近で見ることができます。翼を広げて羽を乾かす姿は、なんだか凛々しいですよ!
鵜の岬 ウミウ捕獲場一般公開
期日:1月5日(月)~3月31日(火) 時間:9時30分~14時
料金:無料
住所:日立市十王町伊師640
問い合わせ:日立市観光物産課 0294-22-3111
※雨天・荒天時は公開を中止する場合があります。
※事前予約不要。20人以上の場合は、事前にご連絡ください。