こんにちは、観光いばらき編集部です!
今回のブログでは、茨城県北芸術祭の山側・常陸太田市の展示をレポートしたいと思います。
常陸太田市街地北部に位置する、旧常陸太田市自然休養村管理センターです。
JR水郡線常陸太田駅を起点にして、車でおよそ15分ほどの場所にあります。
すぐ近くにある「里山ホテルときわ路」を目指して来ると、分かりやすいかと思います!
ここでは、6組のアーティストの作品が展示されています。
鑑賞券が必要な施設なので、個別鑑賞券(一般700円、学生・高齢者500円)を購入するか、
または、作品鑑賞パスポートをお持ちくださいね。
まず建物に入ると、目に入ったのがこちら。
床に転がっているのは、苔玉でしょうか?
どうやら、これも作品のようです!ですが一体どういう作品なのか・・・?
疑問に思っていると、会場のスタッフさんから
「しばらく見ていると、面白い場面が見られるかもしれませんよ」
と声をかけられたので、じっと見てみることに。
すると、ひとつの苔玉が、コロンと勝手に転がったのです!
え!?なんで!?どうして!?
これは、三原聡一郎さんの「空白のプロジェクト#3-大宇宙の片隅」という作品。
この苔玉は、県北地域の苔を使って作られたものです。
どういう仕組みでこの苔玉が動くのか?それは「秘密です」と、スタッフさん♪
まるで生きているかのように、コロリ、と転がる不思議な苔玉。
子どもたちにも大人気でした!
次は、会場に入って正面のカーテンを潜って奥の部屋に。
ここでは、石田尚志さんのインスタレーション作品を見ることができます。
コンクリートの壁に、イラストが描かれていく映像。
まるで今まさに目の前で描かれていく、追体験をしているみたいです。
チョークや水を使って、実際にこの場所に絵を描く様子を撮影したもの。
暗い部屋に光が射したり、また暗闇に包まれたり。
私が気になったのがこれ!部屋の左上にある換気扇です。
換気扇の現物がある上に映像が投影されているのですが、
はじめ、本物が動いているのかと勘違いしてしまいました・・・。
さて、その次に紹介するのはこちら!BCLによる「折り紙ミューテーション」。
天井から、折り鶴がたくさん吊り下げられている可愛いオブジェです。
これは、県北エリア・常陸大宮市付近で昔から作られている
「西の内紙」を使って折られています。
西の内紙は、江戸時代には水戸藩の専売品だったもので、
水にも強く丈夫で、大変重宝されたのだとか。
なんと、選挙の投票用紙に使われたこともあったそうですよ!
・・・この折り鶴に隠されている秘密は、これだけではありません。
実はこの紙には、バイオアートの要素が組み込まれているのです。
「DNAオリガミ」と呼んでいるナノサイズの物体を溶かしこんだ水を
垂らして作られた、西の内紙。
DNAオリガミとは・・・会場に貼られている説明に詳しく書いてありますので、
ぜひ一読してみてくださいね。
県北エリアの伝統工芸品・西の内紙と、日本の伝統文化・折り紙が
最先端のバイオアートと融合した作品。
DNAオリガミを織り込んで折ったこのバイオアート「千羽鶴」にも、
平和への願い、祈りが込められています。
この会場では、他にもバイオアート分野の作品が展開されています。
納豆から樹脂を作り、3Dプリンタでオブジェを作成することを試みたヴァイド・インフラ。
岩崎秀雄+metaPhorestは、
普段、私たちが意識していなかった発酵菌などの微生物の「生命」に着目し
「慰霊」といったキーワードを用いて、問題提起型のアートを展開。
実はこの作品は、発酵食品文化の根付いているこのエリアととてもマッチしているんです。
発酵食品とは、日本酒や醤油、味噌、納豆、漬物、そしてパンも!
地元の酒蔵や納豆製造業の方へのインタビュー映像も見ることができます。
「微生物」というと難しく感じるかもしれませんが、そんな微生物のはたらきを利用して作る
「発酵食品」は、私たちの食文化には切っても切れないもの。
ぜひ、考えながらじっくりと見ていただきたい作品です。
そして最後に紹介するのはこちら。
真っ暗な部屋の中央に、赤い光で映し出されているふたつの器具。
奥の器具には透明なパイプが通されていて、外と繋がっているようです。
近づいて見てみると、その中では蜂が行き交っています!!
こちらの作品は、バイオアートの分野で第一人者としての評価を受けている
オロン&イオナ&マイクによるもの。
ミツバチの 恒温器と、微生物の恒温器です。
この微生物の 恒温器は、コンポストと呼ばれる堆肥の発熱で維持されているのだとか。
コンポストは、微生物の働きで有機物を分解して作られるもの。
先ほどの岩崎秀雄+metaPhorestの作品でも感じましたが、
目に見えないけれど微生物ってすごい、と改めて考えるきっかけになりました・・・。
ちなみに、県北芸術祭会場では、ボランティアサポーターの皆さんが活躍しています!
私が取材に訪れた日に出会った、サポーターの宮田さんと秋山さんです。
サポーターの皆さんは、各地で芸術祭を支えてくれていますので、
会場で出会ったら、ぜひお話してみてくださいね。
◎旧常陸太田市自然休養村管理センター◎
茨城県常陸太田市増井町1794
9:30~17:00 最終入館16:30
※要個別鑑賞券(一般700円、学生・高齢者500円)
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この自然休養村管理センターの近くには観光ぶどう園がたくさんあります。
常陸太田は、茨城県有数のぶどう産地。
摘みたてのジューシーなぶどうを、おみやげにどうぞ!
10月中旬頃までは、ぶどう狩りも楽しめます♪
ぶどう狩り情報は、観光いばらき・いばらきの果物狩り情報で詳しく紹介しています!
===KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭===
テーマ:「海か、山か、芸術か?」
会期:2016年9月17日(土)~11月20日(日)[65日間]」
開催市町:茨城県北地域6市町
日立市 高萩市 北茨城市 常陸太田市 常陸大宮市 大子町