こんにちは、観光いばらき編集部の根本です。
本日は、茨城県立歴史館で現在好評開催中の
平成29年度テーマ展Ⅲ「刀剣のイロハ」を見てきました!
最近、全国で注目を浴びている刀剣。
当ブログでも以前、同水戸市の徳川ミュージアム所蔵
「燭台切光忠」をご紹介したことがありました。
今回、県立歴史館では十数年ぶりの刀剣専門の展示なのだとか。
同館所蔵の刀剣や拵(こしらえ:刀装)を中心に、
タイトル通り日本刀の基本についてや楽しみ方を「わかりやすく」見せてくれます。
ちょうど本日9/9は、企画担当の学芸員さんによる展示解説が行われる日。
せっかくの機会ですので、私も参加させて頂きました!
14時ごろにロビーに到着すると、既にたくさんの参加者が。
年齢層は幅広く、特に若い女性も多く訪れて下さっているそうです。
日本伝統の文化、刀剣に興味を持って各地を訪れる「刀剣女子」が増えているんですね。
さて、資料片手にさっそく展示室へ向かいます。
まず最初にわたしたちを迎えてくれるのが、
徳川ミュージアム所蔵の燭台切と同じ刀工「光忠」の銘を持つ一振り。
(太刀 銘 光忠 附 梨子地葵紋散糸巻太刀拵)
ここから、第1章~終章まで6つの章に分けて、
日本刀の種類、刃文、鍛え肌、姿、刀装、
そして茨城県内の刀工についてを展示。
はじめは、日本刀の種類についてです。
太刀、短刀、刀、脇差、薙刀、槍が展示されていますので
その形状や特徴を、じっくり見比べてみてくださいね。
意外と知られていない「太刀」と「刀」の違いについても知ることができます。
このうち、展示番号2番の「太刀 銘 則包(のりかね)作」は
国の重要文化財に指定されているそう!
そして第2章では、日本刀で注目したいポイントのひとつ
「刃文」について。
刃の部分に見られる、波のような模様のことですね。
数十種類あるそうですが、その中で特に刃文が見えやすいものを選んで
展示しているとのこと。
第3章は、「鍛え肌」について。
鍛え肌とは、刀を打つ工程の中で「折り返し鍛錬」と言われる作業により
刀身に現れる模様のこと。
日本刀の見所のひとつですが、遠くから見るだけでは分かりづらいので、
拡大写真と一緒に展示されています。
「柾目肌」「杢目肌」など、なんだか木材のような名前ですが・・・
なるほど、見ればまさに納得。鍛錬を繰り返して年輪のような模様になるのですね。
ちなみに日本刀の中で一番多いのは「板目肌」という模様です。
この中で、「八雲肌」という珍しい鍛え肌を持つ一振りが展示されているのですが、
これは、徳川斉昭公が考案したと伝わる模様!
ぜひ注目してみてください♪
第4章では、刀の姿。いわゆる見た目の形についての展示です。
鎌倉時代初期から江戸時代後期までの、歴史の変遷とともに変わってきた
刀の姿を追っていきます。
ずらりと並ぶ各時代の日本刀を見比べてみると、
長さや身幅、厚さなどがぜんぜん違います!
戦乱の時代には長く、幅広く、豪壮になる傾向があるのだとか。
また、武士がだんだん馬に乗らない時代になってくると、
腰に帯刀でき、比較的短く邪魔にならない「刀」が主流に……
などと、時代背景によっても変化が見られます。
展示されている刀剣の中には、実際に使われた痕が残るものも。
たとえば、これは背に傷が。相手の刃を受けたか、または弓矢を弾いたか?
ひと目見るだけでは、見逃してしまうかもしれません。
ぜひ、隅々までじ~っくりと目を凝らして見学してみてくださいね。
さて、今回の展示解説はここまで。
残りの第5章(刀装)と終章については、
最終日の9/24に詳しく解説予定とのことです!
特に第5章については、可愛らしいものや、
芸術の域に達する素晴らしい細工を選んで展示しているそうなので
注目してみてください。
今回の「刀剣のイロハ」を担当された、学芸員の田中伸吾さんです。
展示物の中でも、田中さんが個人的に一番お気に入りという
太刀 銘 定利の前で撮影させて頂きました。
ちなみにお気に入りの理由は……「姿がすらりと美しく、
鍛え肌がキレイにはっきりと立っているところ」とのことです♪
実はこのテーマ展で見られる資料は、全部で52あるのですが
そのうち、個人から借りてきた鐔(つば)1つ以外はすべて
茨城県立歴史館にて所蔵、寄託されているものなんです!
一橋徳川家より寄贈を受けた伝来の宝物をはじめ、貴重な資料ばかり。
実際には、刀剣だけでも展示数の3~4倍ほどの所蔵品があるそうで、
展示するものを選ぶだけでもひと苦労だったとか。
テーマ通りとってもわかりやすく、
刀剣に興味を持ち始めた方、また既にハマッている方にも
ぜひ見ていただきたい展示です。
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茨城県立歴史館「刀剣のイロハ」
開催期間: 2017年8月8日(火)〜9月24日(日)
開館時間: 9:30~17:00 ※入館は16:30まで
料金: 一般 150円、大学生 80円 ※高校生以下・満70歳以上は無料
休館日: 月曜日 ※ただし9月18日(月・祝)は開館し翌日休館
アクセス: 車・常磐自動車道 水戸ICから約15分
電車: JR常磐線 水戸駅北口4番バス乗り場から
「偕楽園方面行き」乗車約10分、「歴史館偕楽園入口」停留所から徒歩で約2分
問い合わせ: 029-225-4425
詳しくはコチラ(観光いばらき内)
http://www.ibarakiguide.jp/events/events-87207
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ちなみに!
9月30日までの「気になるイバラキ」夏期観光キャンペーンでは
都内から水戸市・徳川ミュージアムを日帰りでめぐるのに便利&お得な
びゅう旅行商品を用意しています。
こちらのチケット、刀剣に興味がある方にぜひオススメです!
徳川ミュージアムと県立歴史館は徒歩で巡れる距離にありますので、
併せて見学されてはいかがでしょうか♪