こんにちは!観光いばらき編集部です。
突然ですが、皆さんはパパイヤを食べたことがありますか?
パパイヤと言えば南国フルーツのイメージが強いと思いますが、じつは世界の多くの地域では、熟す前の青いパパイヤを果物ではなく野菜として食べるほうが一般的なんです。
今回は、那珂市の「やぎぬま農園」さんで開催されている料理教室にお邪魔して、パパイヤと、パパイヤ料理の魅力について取材してきました。パパイヤ料理のレシピもご紹介するのでお楽しみに!
まずは代表の栁沼さんに、パパイヤについてのお話を伺います。
「なぜパパイヤなのかと聞かれることは多いのですが、私の答えはシンプルです。
ひとつは、生でも加熱してもおいしく食べることができて、いろいろな料理に使えること。もうひとつは、とても機能性が高い食品であるということです」と栁沼さん。
もともとはODA(政府開発援助)のコンサル会社に勤務していたことから東南アジアやアフリカなどの発展途上国を訪れる機会が多くあり、それらの地域では野菜としての青パパイヤが身近な食材だったそうです。
その後、九州で無農薬野菜栽培のコンサル業務を手掛けた際に何かいい作物はないかと相談され、頭に浮かんだのが「青パパイヤ」でした。
「食材としての使いやすさや健康機能性に注目して提案しましたが、そもそもが赤道直下原産の作物なので、日本でうまく栽培できるかは未知数。提案した手前、苗の入手から栽培研究までを手掛けることになり、そこから本格的にパパイヤ栽培に取り組み始めました」
農学博士の協力も得ながら研究を進めるうちに、「メディカルフルーツ」と呼ばれるパパイヤの健康機能性をより深く知り、「この素晴らしい食べ物を日本全国に広めたい」と考えるようになったという栁沼さん。
寒冷地でも栽培ができるよう品種改良をおこない、2011年、那珂市に「やぎぬま農園」をオープンしました。
パパイヤは本来熱帯地域に生息し、1年中実をつける植物ですが、栁沼さんが日本向けに品種改良したパパイヤは、生育から収穫までの期間を半年に凝縮。
「4月に苗を植えると、夏には高さ4mくらいにまで成長します。霜がおりると枯れてしまうので、那珂パパイヤの収穫時期は9月、10月の約2ヵ月間。現在では全国に苗を配り、パパイヤ栽培を広める活動にも取り組んでいます」
パパイヤは酵素の宝庫で、脂肪・たんぱく質・糖質の分解酵素をはじめ、活性酸素を除去する酵素・カタラーゼや、免疫力を向上させるトレハラーゼなどの含有量も豊富。これらの酵素は、疲労回復、体内浄化、栄養吸収、消化促進など健康維持に効果的に働きます。さらに、ビタミンやミネラル、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養素も豊富な「高機能野菜」なんです!
生産は軌道にのったものの、「パパイヤ料理」の認知度はまだまだ低いのが現状。
そこでやぎぬま農園さんでは、4年ほど前からパパイヤ料理教室を開催しています。
それではいよいよ、料理教室のレポート開始!
講師は、料理研究家であり管理栄養士の資格を持つ海野先生です。
そして本日のテーマは、「発酵食カフェ」。
塩麹チーズおにぎり、さんまと秋野菜のキムチ炒め、韓国風湯豆腐の3品に加え、定番のパパイヤサラダと蜂蜜黒酢茶、計5品を調理します。
テーマの通り、すべてのメニューに発酵食品を取り入れ、パパイヤの持つ健康機能をさらにパワーアップさせるのが狙い。さんまや秋野菜など、旬の食材もしっかり取り入れらています。
まずは下ごしらえから。
こちらは、キムチ炒めに入れるパパイヤをカットしている様子です。
ちなみにパパイヤの基本の下ごしらえは
①半分に割る
②スプーンで種を取り除く
③ピーラーで皮をむく
以上の3ステップ。
熟す前の青パパイヤは、包丁がスッと入るくらいの硬さ。柔らかすぎることもなく、大根のような感覚で調理することができます。
サラダ用のパパイヤは、「しりしり」と呼ばれるスライサーで千切りに。
包丁で千切りにするより断面が粗めに仕上がり、ドレッシングの味がよく染みるそうです。パパイヤの千切りとお好みのドレッシングを和えれば、サラダの下ごしらえは完了!
シャキシャキとした食感を楽しみたいなら、ドレッシングと和えるのは食べる直前にしましょう。
続いては、キムチ炒めに入れるさんまを準備します。
さんまは3枚におろし、食べやすい大きさにした切り身をキムチの漬け汁に浸しておきます。味が染みたら、クッキングシートを敷いたフライパンで両面に焼き色を。
さんまは一旦取り出し、パパイヤと秋野菜を油で炒めます。
野菜に火が通ったらキムチを加えて軽く炒め、先ほどのさんまに乗せて完成です!
焼きおにぎり用のご飯も、もちろんパパイヤ入り!
パパイヤご飯の作り方はとっても簡単で、炊飯器でお米を炊くときに、一緒にさいの目に切ったパパイヤを入れるだけ。
炊きあがったら塩麹とチーズで味付けし、丸いおにぎりにします。
焦げ付かないようホットプレートにクッキングシートを敷き、両面にこんがりと焼き色がついたら完成!
より香ばしい風味を楽しみたい方は、オリーブオイルを熱したフライパンで焼いてもOKです。
完成したお料理がこちら。
さすが先生、盛り付けも素敵です!
出来たてのパパイヤ料理を、早速試食。
取材スタッフもおすそ分けしていただきました。
調理法によってパパイヤの食感の違いが楽しめ、どのメニューもとってもおいしい!
ちなみに、柳沼さんのお気に入りの調理法は「だんぜん煮物!」だそうです。
このパパイヤ料理教室は、毎月第3木曜と第4月曜の2回開催されています。
事前申込み制で6ヶ月コースが基本ですが、1回のみのお試し受講も可能です。
12月から次期の受付が始まるので、興味のある方はお問い合わせを!
やぎぬま農園さんでは、生のパパイヤの他、通年で楽しめる冷凍パパイヤや
パパイヤを使った加工品も開発・販売しています。
ドレッシングやカレー、漬物、お茶など、そのラインナップは驚くほどバラエティ豊か。
おいしく食べて、パパイヤパワーで健康管理!
皆さんもぜひ、那珂パパイヤをお試しください。
<レシピ紹介>
■塩麹チーズ焼きおにぎり
(材料/4人分)
・パパイヤご飯…300g
・ピザ用チーズ…40g
・塩麹…40g
・桜エビ…4g
(作り方)
①パパイヤご飯、チーズ、塩麹、桜エビを混ぜる。
②丸いおにぎりを4個握る。
③熱したホットプレートに②を入れ、少し押さえながら両面をこんがり焼く。
■さんまと秋野菜のキムチ炒め
(材料/4人分)
・さんま(3枚におろしたもの)…4尾
<A>
・酒、みりん、キムチの漬け汁…各小さじ2
・三つ葉…1/2袋
・白菜キムチ(発酵させたもの)…100g
・青パパイヤ…100g
・エリンギ…大1本
・レンコン…100g
・塩、こしょう…少々
(作り方)
①トレーにAを合わせ、食べやすい大きさに切ったさんまを15分程浸けておく。
②エリンギは半分に切って薄切りに、パパイヤは薄切りにカット。レンコンは薄い半 月切りにして水にさらしてから水を切っておく。
③三つ葉は3cmの長さに、キムチは細かく刻む。
④フライパンにクッキングシートを敷き、中火で皮面からさんまを焼く。焼き色がつ いたら裏返し、弱火で1~2分焼いて皿に盛りつける。
⑤フライパンのシートをはずし、油を熱して中火で②を炒める。
⑥塩こしょうで味付けし、③を加えてひと混ぜし、さんまの上に盛り付ける。
魅力いっぱいの那珂パパイヤ♪ ぜひ、皆さんも食べてみてくださいね!
【那珂パパイヤ やぎぬま農園】
http://database.ibarakiguide.jp/db_kanko/?detail&id=0800000003353
HPはこちら