こんにちは。2月の終わり頃から暖かい日が続いたおかげで、梅もすっかり満開になりましたね。連日たくさんの人が訪れている「水戸の梅まつり」ですが、偕楽園だけでなく、弘道館も会場となっています。その弘道館に先日行ってきましたので、中の様子をご紹介します。
弘道館は、江戸時代に第9代藩主徳川斉昭により今からおよそ160年前の1857年に開設された旧水戸藩の藩校、つまり当時の学校でした。当時の敷地面積は全国一の広さを誇り、天文台から神社、砲術場まで、さまざまな施設が整備された総合的な教育施設だったそうです。
「みんなが楽しめる」偕楽園に対して、「みんなが学べる」弘道館といったところでしょうか。
徳川斉昭公
明治維新以降、学校としては閉鎖された弘道館ですが、戦争を経て現存している部分は国の重要文化財や国の特別史跡にも認定されており、現在でも、当時の様子をうかがい知ることができます。
さらに今の時期は弘道館の敷地中に梅が咲き誇り、その歴史に思いを馳せるような建物とのコントラストがさらに梅の美しさを引き立ててくれているようにも感じます。
弘道館は大人200円、小人100円の入館料が必要です。入館料を支払って敷地の中に入ってみると、目に入ってくるのはたくさんの梅に囲まれた「正庁」そして「至善堂」。そしてその周りをぐるっと歩く散策路の入口が。こちらは梅を楽しみながら、さまざまな角度から弘道館を楽しむことができるのでおすすめです。
敷地内のところどころには、「水戸の六名木」と呼ばれる品種も見ることができます。写真のように梅の名前が紹介されているので分かりやすいと思います。
散策路を1周するとちょうど正庁の入口に。靴を脱いで、中を見学することができます。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような映画のセットのような場所ですが、お忘れなく。こちらは「ホ・ン・モ・ノ」なのです!
正庁は学校御殿ともいわれ、試験会場や儀式に使われたとのこと。160年ほど前も今頃は卒業式のようなことが行われていたのでしょうか。隣接する至善堂も「諸公子の勉学所」だったそうですが、15代将軍徳川慶喜が大政奉還後、なんとここで4ヶ月間謹慎生活を送っていたそうです。
撮影は許可されていませんが、歴史を学べる貴重な史料も多数展示されています。ボランティアガイドさんが分かりやすく解説もしてくれますので、気になることがあったらぜひ話を聞いてみてください。
時間もゆっくりと流れているかのような錯覚に陥るほど、静かで格調高い空間が弘道館にはありました。160年前の人々もここでこうして梅の花の下、友人や恋人と、夢や愛を語りながら散策したり勉学に励んでいたのかと思うと、とてもロマンチックですね💞
弘道館は梅が終わっても、4月には正庁玄関前の「左近の桜」が見事な花を咲かせます。すぐ近くの三の丸庁舎のお堀の桜も人気スポットです。
年度末のお仕事や、新生活・新学期にちょっと疲れを感じたときは、ぜひ弘道館へ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
いよいよ梅満開の「水戸の梅まつり」は弘道館と偕楽園で3月31日まで開催中。
弘道館については、先月リニューアルオープンした弘道館公式サイトもぜひご覧ください。